2000年11月23日
旧武石家住宅のこと
弥彦で「旧武石家住宅」とある観光看板を見つけた。これは気になる。“豪農”なら何となくわかった気になるが、“住宅”だ。気になり始めると我慢できない。迷わず看板の指し示す矢印の方向へ車を走らせた。
そこには、かやぶきの小さな家。古いであろうことは一目でわかるが、決して大きくはない。わきに立つ管理事務室に向かうと、入場料200円とある。「有料か…」と思いながらも、受け付けのテーブルには、民芸品のような手作りの小さなかわいい人形が数十個、貝を和服の生地でつつんだ根付け?のようなものが並ぶ。
それらを入れた箱には手書きで「幸福を呼ぶ」「ほしい方はどうぞ!!」。管理人にたずねると「無料です」。しかも管理人の母が手づくりしているとのことで、何とも心が温まる。記念にありがたく一つちょうだいして旧武石家住宅に入ると、管理人も後に続き、茶を入れてくれ、住宅について、ていねいに解説してくれた。
住宅は300年前に建てられ、畳はなく、土間と板の間だけ。窓がなく、前面の扉の障子越しの柔らかい光しか差し込まないので昼なお薄暗く、中央のいろりの火や所々に配置した光の弱い照明が辺りをぼんやりと浮かび上がらせる。小春日和の外とは隔絶された、言葉では言い表せない不思議な落ち着きのある空間だった。
管理人は「土間にワラを敷いて寝床にしていたようです」「板の間は客人をもてなすときだけ使い、ふだんは使っていなかったんでしょう」。土間に腰掛けて暖をとる人、ワラを編む人など、当時の生活の様子が目に浮かぶようで、庶民生活とかけ離れた豪農の館よりも、はるかに生活感を肌で感じることができる。
イベントなどにも利用されており、近く昔話の読み聞かせもあるという。何かの機会にまた足を運んでみたいと思った。こうした思いがけない発見はうれしい。たった200円でたっぷり得した気分を味わせせてもらった。秋の行楽シーズンも終盤だが、何も観光客が多いところばかりが名所ではない。きょうから始まる3連休、自分なりの名所を探すのも楽しいはずだ。
※ケンオー・ドットコムのショップ情報に旧武石家住宅のデータを掲載しました。サイトの「ショップ情報」から「■行政・団体」の「寺泊・弥彦・岩室」をクリックするか、トップページの「ショップサーチ」の検索窓に“旧武石家”と入力、検索しても表示します。
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投稿者 masatosato | カテゴリー:コラム | コメント (0) | トラックバック (0)