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2004年08月02日
7・13水害の犠牲者をこれ以上増やさないために
7・13水害は三条市が始まって以来の大災害となり、三条市内だけで9人が命を落とした。道路を埋めた水害ごみは日ごとに減り、一見、復旧は順調に進んでいるように見えるが、これ以上、犠牲者を増やしてはならない。水害被害の拡大は終わったではないかと言う人もあるだろうが、直接的な犠牲者のことではない。自ら命を絶つ二次的な犠牲者のことだ。
先月、警察庁がまとめた昨年1年間の全国の自殺者は3万4427人にのぼり過去最多となった。交通事故による1年間の死者は1万人足らずなので、その数倍にのぼる人が自ら命を絶ったことになる。
自殺者はバブル崩壊から増加傾向が続いている。それ以前は年間2万人前後だったことから考えると、増加分の多くが経済的な理由と推測できる。
全国的に命を絶たなければならないほど追いつめられた経営者が増えるなか、水害により三条市で被災した事業所は、さらに困難な経営を強いられる。三条市がまとめた市内事業の被害総額は、概算ですでに約150億円。倒産や廃業に追い込まれる事業所が多発することは容易に想像できる。
行政には被災事業所を支援する一刻も早い規模の大きな施策が求められるのは言うまでもない。全国の自殺者が増えても政府の責任を問う声はあまり聞かれない。同様に三条市で自殺する経営者が出たとしても、行政の責任を問われることはないだろう。それだけに、行政には人の命がかかっているという思いで事業所に対する支援策を進めてほしい。
阪神・淡路大震災では、200人を超えるお年寄りが孤独死したといわれる。20人近い学生が自殺したという大学もある。被災者に対する心のケアは経営者だけに限らない。
被災者の生の声を聞くと、その心痛にいたたまれない気持ちになる。多くの被災者が少なからずかけがえのないものを失っている。職場には復帰したものの仕事が手に付かない、気が付くと何も考えられずにボーッとしているという人もいる。
心の専門家による活動も始まっているが、専門家でなくともまずは被災者の話を聞いてあげ、痛みを共有する。それだけでも内にこもってしまいがちな被災者の心を開いてあげられるのではないだろうか。
災害復旧というと物質的なものばかりに目がいってしまいがちだが、目に見えない被害、数字に表れない犠牲者にもっと目を向けなければならない。三条市の防災関係の行事では「市民の生命と財産を守るため」と紋切り型の祝辞が繰り返されるが、悪い意味での題目に終わらないよう祈るばかりだ。
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投稿者 masatosato | カテゴリー:コラム | コメント (0) | トラックバック (0)